酒しか勝たん

オタクお気持ち怪文書

ラギーと私と、時々レオナ

※2章のクソ雑なネタバレあり

 

今ナウなヤングの間で大人気のツイステというゲームを3日前ほどに始めた。

まず初めに、わたしはソーシャルゲームが大の苦手だ。理由を話すと長くなるのでかいつまんで言うと、とにかく本ストーリー以外にイベントやらランク戦やらやることが多すぎていっぱいいっぱいになってしまい、結局手を止めてしまうことが主な原因である。唯一スマホ内に残っているソシャゲの1つであるFGOはもうキャメロットのガウェイン兄貴の前で4年立ち往生している。4年である。こんな情勢じゃなければわたしがFGOを始めてもう2回オリンピックが開催されていることになる。2部が良いところまで来ているらしいのに。テンプレート運動苦手オタクのため持久力と根性がノミの心臓くらいしかないのだ。哀れオタク、持久力つけろ。

そんな私が1章を1日ペースで読んでしまっている、なんならレベルを上げないとストーリーが読めない仕様であり、本来であればその点で匙をブン投げているはずなのに、わたしは石を砕き血反吐を吐きながら2章まで3日で読み進めた。要するに狂っていた。

 

そんな人を狂わせるツイステがどういうゲームかを説明すると、某すごいテーマパークと某すごい制作会社が作ったすごいモバイルゲームである。キャラデザインはあの黒執事の作者、簡単に言えば、『カレーライスにハンバーグを乗せてをショートケーキをかけた』みたいなゲーム、それがツイステだ。

ストーリーは、『異世界転生した主人公(性別不明)が世界を救いそうな声をした狸と共に、マイハウスへの帰還方法を探しながらイケメンとハチャメチャなひとときを過ごす』というものだ。こんなん読んでる人間は多分もうプレイしていると思うからいちいち説明しなくてもいいと思うが。

言ってしまえばよくある展開のゲームに惹かれてしまったのにはある理由がある。

 

今回久々に文を認めようと思ったのは他でもない、「ラギー・ブッチ」の話がしたかったからである。

「ラギー・ブッチ」、もう語感の響きだけで良い。今後会社で行われる飲み会の乾杯の音頭が、全て「ラギー・ブッチ」であるのであれば私は喜んで飲み会に参加するしなんなら幹事も務めようと思う。ビールを片手に上司と目を見合わせ、「皆さん、お手元にドリンクをお持ちでしょうか。それでは益々の発展を願って、ラギー・ブッチ!」と叫びたい。

ここまで読んでそもそも「ラギー・ブッチ」が何なのか、食べ物なのか人物なのか分からない方には、きっとわたしは頭のおかしい人間に見えているだろう。大丈夫だ、多分ラギー・ブッチを知っている人間にも頭のおかしい人間に見えているはずだ。

 

本題に入ろう。

ラギー・ブッチとはいったい誰なのか。

 

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彼である。

この垂れ目にケモ耳の少年が、正真正銘「ラギー・ブッチ」さんだ。

ナイトレイブンカレッジ(ずっと『ナイトイレブンカレッジ』だと思っていた)、2年B組2番、所属はサバナクロー寮。

そんなラギー・ブッチさんとの出会いは、ツイステ沼にハマるフォロワーからの「那島さんラギー好きそう」という呪いの言葉からである。その当時、ツイステについて存じていたがソーシャルゲームという観点からプレイは断念していた。強く推されてはいたものの6GBの容量クソバカソシャゲの存在を盾に「容量ないしスマホ壊れたらやるわ」との呑気発言をしていた。当時のわたしへ、バカ、わたしより。

しかし、世間は現在コロナにより自粛が促されて引きこもりを余儀なくされている。わたしも実家に帰るのを諦めた。遊ぶ友達もいないため、やることはもっぱら家で飯を作るか寝るか掃除するか。近場に散歩へ行ったり買い物へ行ったりはしたものの、ほんとうにそれくらいしかやることがなかった。限界が近かった。

好きなジャンルも舞台のため開催はなくなり、わたしは宙ぶらりんの状態だった。そのため、クソバカ容量を整理しツイステのインストールを決めた。配信当時からタイムラインでフォロワーが狂ってるのをワイングラス片手に眺めていたが、暇すぎて人間の「狂気」の感情に触れてみたくなってしまった。それに、フォロワーの言う「ラギー・ブッチ」さんがどんな男か確かめてみたくなった。

そこでインストールを決めたのだ。

 

 

今考えると、この発言は完全にフラグである。

しかし当時のわたしは「ソシャゲだぜ?今まで自ジャンルのソシャゲすらまともにイベント駆けて来なかったくせに新規のソシャゲとかw」と本気で思っていた。なんなら彼らは顔が綺麗すぎるので好みではないとまで言っていた。それでも現推し候補が出るまでは続けてやろうと決めた、暇だったのである。

 

ゲーム性は某アニプなんとからしい戦闘とリズムゲームの合わせだった。正直これに関してはまあまだどうにかなった。リズムゲームは元音ゲーマーだったので嫌いではないし、戦闘は長丁場になると嫌だが基本5ターンで終わってくれるのでまだ良かった。マギレコとFGOを経験しといてよかった。レベル上げだけしんどかった。放置周回ゲーがそもそも好きではないため、周回させている間他のことがスマホで出来ないのが苦痛だ、スマホ中毒者の末路である。

 

ストーリーは面白かった、序章はどちらかというとチュートリアルの意味合いが強かったが、一章のハーツラビュル寮編からはだんだんと引き込まれていった。さすがD社、気合いが違う。話が面白いかつ、初回はレベルがバカスカ上がるのでストーリーもスイスイ読めた。そんなこんなでわたしは1時間で1章を終わらせた。

 

そして2章から、ついにラギー・ブッチさんが登場した。2章は主にサバナクロー寮の話で、「スポーツ大会前にやたら怪我をする生徒が増え、困った先生が暇そうな主人公に犯人探しを押し付ける回」である。基本的にラギー・ブッチさんはこちらの味方ではなく、こちらを翻弄してくる感じの子だった。かわいい、好きだ。もともとヒールタイプのキャラが好きなわたしはこの時点でもう腰まで浸かっていた。

追加ダメージを与えるかの如く、プレイ中わたしを通話で監視していたフォロワーは都度ラギー・ブッチさんの情報を投げてよこした。彼は貧しい生まれ、ゴミ溜めで育ったハイエナの子である故に食に関して貪欲であること。この時点でわたしの心はもうラギー・ブッチさんを養うという意思決定をしていた。飯をなんでも旨そうに食べ、かつこんな悪戯っ子で無邪気、過去は辛くとも生き抜いてきた。そうだ、養子縁組の準備をしなければ。

そして後半、蓋を開けるとなんとそのラギー・ブッチさんが犯人ではないか。驚きである、こんなかわいい子がそんなことをするはずはない(すっとぼけ)、何か裏があるはずだ(棒読み)。わたしはそう思いながらストーリーを進めた。実際にはレベルが足りねえから出直せと言われたので、石を砕きレベルを上げてストーリーを進めた。

そうするとなんと、その裏にはレオナ・キングスカラーというサバナクローの寮長がいた。スポーツ大会に勝つために影で選手を貶める算段を立てていたのだ。ラギー・ブッチさんは彼から金をもらい悪いことをしている。なんてやつだ。

わたしは養子縁組から、ラギー・ブッチさんをレオナ・キングスカラーから救うという目的にシフトチェンジをした。レオナ・キングスカラーはその他にも無理なパシリをさせたりなど傍若無人である。許せぬ、ラギー・ブッチさんは渡さん。もはや、恋した女が悪い男と付き合っているからそれを助けようとする主人公の気持ちであった。

さて、物語は終盤。私とハーツラビュルのみんなたちやらサバナクローの海堂薫やら他いろいろと協力し、レオナの目論見を失敗に終わらせることができた。しかしその時点でレオナは全てを放棄し、ラギー・ブッチさんはブチギレてレオナに襲いかかるも敵うはずがなく殺されかけてしまう。

私はレオナ・キングスカラーに対し、最高潮に怒り狂っていた。絶対コテンパンにしてやるからな、魔法使えないからグーパンでどうにかしてやる。これは本件の被害者の分!これはラギー・ブッチさんの分!これは俺の分!心が暴れ出していた。

そのあとなんやかんやあってレオナさんが大暴れした。それをラギー・ブッチさん、そしてサバナクローの海堂薫ことジャックくんと協力して止めた。もともと敵だったはずのラギー・ブッチさんと協力して諸悪を断ち切る。これはもうラギー・ブッチさんとのハピエンルートフラグが立ったと言っても過言ではない。わたしは浮かれていた。

そしてなんやかんやあり事態が収束、一件落着と思いきや、まだ終わっていなかった。ラギー・ブッチさんの拳がレオナ・キングスカラーを右ストレートで貫いた。当たり前だ、ラギー・ブッチさんは殺されかけたのだからこれくらいはされて当然だ。もはや金をもらえる以外は野望もないレオナの小間使いする理由もないだろう。わたしはほくそ笑みながら腕を広げてラギー・ブッチさんを待った。

 

 

 

ラギー・ブッチさんが取ったのは、紛れもなくレオナ・キングスカラーの手であった。

 

 

ボロ負けである。

惨敗、大敗、雑魚撤退である(ラップ調)。

その時のわたしはフォロワーと通話しているのも忘れて自室から飛び出し気づけば玄関で靴を履いていた。そのレベルの動揺であった。

ここまでネタバレしておいてあれだが、もしここに未プレイ兄貴姉貴がいるならば、わたしの今までの愚行を表すために是非本編を読んでほしい。ぶっちゃけ作業ゲームが苦手だったらただの苦行なので無理強いはしない。しないが、わたしの愚かさがありありとわかる。既プレイ兄貴姉貴は多分わたしの愚かな考えがよく分かったかと思う。どうか指をさして笑ってほしい。

完全に勝ちフラグだったのに何故?ラギー・ブッチさん、どうして?私がTwitterで君をラギブチさんと不名誉なあだ名で呼んでいたからか?

いや違う、そんなものではない。きっともうわたしが異世界転生する前の期間に彼らには途方もない絆が蓄積されてたんだろう。利害では測れない絆が。

完全敗北である。フォロワーも言っていたが、きっとこのままわたしが怒りのままにレオナを殴ったところでラギー・ブッチさんはレオナの介抱を始めるだろう。もうダメだ。

悲しみか、怒りか、絶望か。

その感情の名前が分からぬまま私はその場を去った。さようなら、ラギー・ブッチさん。すまない。本当に、短い間だったけれど僕は確かに君のことを愛していた。でも君はその男と行(ゆ)くのだろう…。いいんだ、僕が愚かだっただけなんだ。さようなら……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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次は3章です、頑張ります。